最近はレンタルサーバーを契約してブログを始めたり、webアプリを構築したりする人も多いと思います。
ビジネスのためにレンタルサーバーを契約した方もいらっしゃるでしょう。
レンタルサーバーサービスは多くの会社が展開しており、サービス内容もどんどん良くなっていますが、みなさんはレンタルサーバーを契約する際にサーバーに保存したデータのバックアップについては検討していますか?
ほとんどの方は月額料金やCPU、メモリ、ストレージ容量などのスペック、通信速度、レスポンスなどで決めていると思います。
ただ、それでは大切なデータを失ってしまうことになりかねませんのでデータはレンタルサーバー会社任せにせず、自分でバックアップしておく必要があります。
今回はその理由についてシェアします。
レンタルサーバーのデータを自分でバックアップする必要があるのか?
レンタルサーバーのサービスはどこもRAID(レイド)と呼ばれる、サーバ内のデータを冗長化してストレージに保存していく仕組みを採用しています。
そのため、ストレージの一部(例:2本ディスクを搭載しているサーバの1つのディスク)が物理的に壊れてもデータ自体は守られるようになっています。(RAIDの種類によりどの程度のストレージが壊れてもデータが守られるかは変わってきます)
もし、RAIDを組んでいないレンタルサーバーサービスがあるとすればディスクが1本壊れただけでデータも当然壊れてしまいますのでそのサービスがいくら安くても利用するのは絶対にやめましょう。(RAID以外でもデータの冗長化を行う仕組みはありますがまだRAIDを採用している場合が多いです)
ただ、RAIDを組んでいるからといって安心できるわけではありません。
データを間違えて削除してしまったり、ワードプレスなどの場合、新しいプラグインを入れたことによってデータの不整合が起きてしまうことも考えられるからです。
その場合はRAIDでは対処しきれませんのでデータのバックアップを予め取っておき、そのバックアップから復旧することが必要になります。
このデータのバックアップ方法には大きく以下2つがあります。
- レンタルサーバーサービスによるバックアップ
- 自分でデータをバックアップ
1. レンタルサーバーサービスによるバックアップ
レンタルサーバーサービスの中には自動でバックアップを取ってくれているものもあります。
例えば、私が利用しているエックスサーバーにも自動バックアップ機能があり、何も設定しなくてもバックアップを取ってくれており、そのバックアップから復旧可能です。
そのため、あまりサーバー管理の知識がなくてもある程度安心して運用することができます。
ただ、バックアップデータの復旧は有料であり、サーバー領域のデータであれば税込10,800円、データベースであれば税込5,400円かかってしまいます。
また、復旧の申し込みを行った後にエックスサーバーのスタッフによってデータが提供されるまで最大48時間かかるというデメリットもあります。
2. 自分でデータをバックアップ
レンタルサーバーサービスのバックアップの他に自分でデータのバックアップを取る方法もあります。
エックスサーバーの場合、サーバーパネルと呼ばれる管理コンソールからデータをご自身のパソコンやハードディスクなどにダウンロードを行うことでバックアップが可能です。
レンタルサーバーサービスのバックアップと合わせて自分でバックアップを取ることにより、レンタルサーバーサービス自体にトラブルがあった際に別のレンタルサーバーに再構築してすぐに復旧できるなどのメリットがあります。
デメリットとしては自分でバックアップを取らなければいけないため、ご自身の作業負荷が増えること、バックアップを取り忘れてしまう可能性があるということがあります。
レンタルサーバーサービスによるバックアップを過信しすぎてはいけない
ここまでの話で「レンタルサーバーサービスのバックアップでいいじゃん!」と思う方もいらっしゃると思います。
しかし、自動バックアップを過信しすぎると痛い目をみるかもしれません。
その一番の理由は「どこにバックアップを取っているか分からない」ということです。
エックスサーバーが提供している自動バックアップ機能について問い合わせてみたところこのような回答がありました。
Q1 自動バックアップが行われるサーバは、webサーバやDBサーバとは物理的に別のサーバに行われるという理解で間違いないですか?
A1 そのご認識で間違いございません。
Q2 物理的に別のサーバだった場合、同じデータセンター内の別サーバでしょうか?それとも遠隔地のデータセンターへのバックアップになりますか?
A2 恐れ入りますが、当サービスのサーバーの詳細な仕様は非公開となっておりますことをご了承ください。
この回答を見ますと現在動作しているサーバとは物理的に別のサーバーにはバックアップをしているが、遠隔地にバックアップしている保証はないということになります。
ご存知の通り、日本は地震などの災害が多い国です。
もし、エックスサーバーが提供している自動バックアップ機能が「同じデータセンター内の別のサーバーへバックアップを取っている」ということであった場合、地震でそのデータセンターが破壊されてしまうと復旧不可能ということになってしまいます。
もう少し具体的に言いますと上の画像のように東京にあるデータセンターにあなたが契約しているレンタルサーバーAがあったとします。
自動バックアップ機能は大阪にあるデータセンターにあるサーバーBに保存してあるのではなく、東京データセンターのサーバーCに保存されているかもしれないということです。
この場合、東京に大地震が来てデータセンターが倒壊してしまった場合、当然ながらデータは失ってしまいますし、あなたが運用しているブログやwebアプリにアクセスすることはできなくなってしまいますね。
自分で遠隔地にバックアップを取りBCP対策をしよう!
そんな地震などの災害に備えて遠隔地にデータのバックアップを取っておいたり、レプリカサーバーを立てておいて災害時にすぐレプリカサーバで運用して被害を最小限に抑えるBCP(Business Continuity Plan)対策がビジネスの現場では当たり前のように行われており、重要な位置づけになっています。
先ほどの例の場合、東京データセンターのレンタルサーバーAのデータを同じ東京データセンターのサーバーCではなく、大阪データセンターのサーバーBにバックアップを取っておくということです。
こうすることによって東京に大地震が来ても大阪データセンターにあるデータでサービスの復旧を行うことができます。
レンタルサーバーがBCP対策も含めて全てやってくれれば良いのですが、実際にはそこまでのサービスはなかなかありませんので自分でバックアップを取っておく必要があります。
最後に:重要なデータは遠隔地へのバックアップが必須!
ここまで私がこのサイトを運営しているエックスサーバーを例に挙げましたが、エックスサーバーだからダメというわけではありません。
エックスサーバーは処理スピードも速いですし、とても素晴らしいサービスです。
しかし、エックスサーバーや他のレンタルサーバーでも遠隔地へのバックアップについては大きく公表しておらず、心配な点はあります。
地震などの災害が多い日本では災害のリスクは避けられません。
災害によってあなたが多くの時間をかけて運用してきたブログやwebアプリが一瞬で無くなってしまう可能性も十分にあります。
その場合、ブログやwebサービスで生計を立てている方は収入が無くなってしまうことになりかねませんね。
データが消えてしまったあとでレンタルサーバーサービスに文句を言ってもデータは戻ってきませんし、きっと保証もしてくれないでしょう。
だからこそ自分のデータは自分でしっかりと守ることが必要です。
先ほどご紹介した通り、自分のパソコンなどに手動でバックアップを行う方法もありますが、毎日定期的に取得するには時間がかかりますし、忘れてしまったり、何より面倒ですので自動で遠隔地にバックアップを行う仕組みを構築すると良いですね。
データは自分でバックアップを行い、安心して作業に集中しましょう。
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