現役システムエンジニア歴13年でエンジニアの採用も担当しているきのこくんです。
採用を担当していて未経験ながらシステムエンジニア(SE)を目指している方も多いんだなと改めて感じています。
中途採用である以上、5年、10年のSE経験がある方と実務経験が無い方が同じ土俵で戦うことになるわけですからかなり厳しい戦いになります。
ただ、そんな未経験者の方でも転職サイトに登録する前までの準備、そして転職サイトへの職務経歴、自己PRの書き方で採用担当者の目に留まりやすくなります。
本記事では未経験の方が本気でSEへ転職するためにやっておくと良いこと、転職サイトへの入力例を採用担当が解説します。
システムエンジニア(SE)の業務内容とは?

システムエンジニアになりたくてプログラミングスクールに通いながら転職サイトに登録したんですけど全然通りません・・・

自己研鑽しているのはとても良いことですね。ところでシステムエンジニアってどんな仕事をするのか知っていますか?

プログラムを作るんじゃないんですか?

もちろん、プログラミングも大事な仕事ですが、それだけではないんですよ。
ここではシステムエンジニアの業務内容を簡単にご紹介します。
システム開発のウォーターフォール型と呼ばれるプロジェクト例を簡単な図にしました。
用語については会社やプロジェクトによって変わりますが、だいたいこのような感じです。
見て抱ければお分かりの通り、プログラムを作るプログラミングのフェーズ(工程)はプロジェクトの中の一部であることが分かります。

プログラムを作るだけじゃないんですね。

小さな改修案件ならいきなりプログラミングできてしまうようなものもありますが、規模が大きいプロジェクトではそうはいかないんですよね。
また、システムエンジニアというと要件定義から業務に携わるため、プログラミングだけでなく、お客様の要望をかみ砕き整理する力、どのような構成でシステムを構築するか、どのような機能を作るのか検討・設計する力などが求められます。
図の下に記載してある、「要件定義書」「全体設計書」などはそのフェーズの成果物ですが、これらは主にOfficeファイルで作成するため、ドキュメント作成する力も必要です。
そのため、プログラムがただ書けるだけではSEの業務は務まらないということを理解してください。
プログラマー(PG)にはなれる?

システムエンジニアの仕事が幅広いことは分かりましたが、プログラマーにはなれますか?

プログラマーは、SEが作成した設計書をもとにプログラミングやテストを担当することが多いのでSEより仕事の幅は狭いと言えますね。
先ほどご紹介した図の通り、プログラマー(PG)の業務はSEが設計した設計書に従ってプログラミングを行います。
更にテスト仕様書を作成し、そのテスト仕様書に従ってテストを行います。
そのため、SEよりもPGのほうがなりやすいと言えます。
ただし、PGと言えどもキャリア10年の人と実務経験が無い方ではもちろんスキルが違いますのでその方たちと争うためには転職サイトの書き方はしっかりと工夫する必要があります。
転職サイトでのプロフィール / 職務経歴 / 自己PRの書き方

未経験なのだから実務経験は当然無いんですけど転職サイトにはどう書けばいいですか?

未経験であったとしてもSEやPGとして業務を行う上で役に立つことを特にアピールしてください!
では私が実際に採用担当をしていてもっと感じたことをメインに転職サイトの書き方についてご紹介します。
プロフィール欄の書き方
プロフィール欄で私がよく見ているポイントがこちらです。
- 希望年収は高すぎないか。
- 希望職種は的外れでないか。
未経験の方がSEやPGに転職したい理由の1つに「年収をアップしたいから」というのがあると思います。
よく希望年収500万~600万と書かれている方も多いです。
ただ、はっきり言って企業は未経験の方にそんなお金を出すことはありません。
ちょっと厳しい言い方をしますが、「身の程知らずな人だな。詳しいプロフィールを見るまでもないな」と思ってしまいます。

けっこうグサッときました・・・

本当にその年収以下では転職したくないという場合じゃなければ年収アップよりも経験を積むという意識でいましょう。
希望職種については第一希望~第五希望まで記述することができますが、IT関係でない職種を入れないことをおすすめします。
全てをプログラマーやシステムエンジニアで埋めて採用担当者に「どうしてもSEやPGに転職したい」ということをアピールしましょう。

保険という意味を込めて今の職種も入れていました・・・

一貫性が無くなりますし、今の職種でいいならそのほうがいいんじゃないの?って感じてしまいます。
職務経歴の書き方
職務経歴にはこのような書かれ方をしている方がとても多いです。
職務経歴のいまいちな例
この経歴を見てどう思いますか?

あっさりしすぎて何をやっていたのか分かりませんね。

そうですね、どんな仕事をしてきたにしても苦労したこと、その苦労をどう乗り越えたか、どんな成果を出したのかなどしっかり記述することが重要です。
例えばこんな書き方はいかがでしょうか。
職務経歴の修正案
このように具体的に書くことで採用担当者もこの業務でなら生かせそうかななどイメージが沸きやすくなります。
今回の場合、客室清掃員のマネジメントもしていることからSEとして実力をつけていったときにプロジェクトマネジメントも任せられるんじゃないかといったことも考えられます。

かなり具体的で仕事に対しての向き合い方も分かるようになりました。

嘘はもちろんいけませんが、仕事の中でのエピソードなどを織り交ぜるのはとても良いですね!
自己PRの書き方
自己PRにはこのような書かれ方をしている方がとても多いです。
自己PRのいまいちな例
こちらの自己PRを見てどのように感じますか?

なんかありきたりですね・・・

採用担当者が何を評価すればいいか分かりませんね。
コミュニケーション力や積極性というワードは本当にいろんな方が自己PRに書いています。
新卒の採用であればこのようなことを書くのでしょうが、中途採用ではこれらはもはや当たり前ですし、正直もう見飽きています。
そして一番重要なのがプログラミングを学んでいるという点です。
普段の仕事をしながらSEに転職するためにスクールに通うなど時間やお金を費やしているのはとても良いことですが、この書き方など何を学んだのかが分かりません。
SEからSEへの転職であれば職務経歴に書かれますが、未経験からの転職の場合、この自己PR欄でSEとしてあなたがどのように貢献できるかをアピールしなければなりません。
自己PRの修正案
採用担当者は、未経験のあなたがどのようなスキルを持っていてどのように会社に貢献できるのかが分かりません。
そのため、独学やプログラミングスクールで何を学んだのかを知りたいです。
記載例のようにwebで見せれるものがあれば積極的にURLなどを記載したり、具体的にどのような環境で開発を行うことができるのか書いてください。
もし、あなたのプロフィールを見て興味があればそのURLも見てくれます。

確かに何ができるのか分かりやすいです。
前職の経験についてもSEの仕事に応用すると何ができるのか考え、記載してください。
そのためにもSEの仕事とは何かを理解することはとても重要になります。

文章が長くなっても良いのでなるべく具体的に分かりやすく記載してくださいね。
転職サイトに登録する前に準備しておきたいこと
採用担当者に見せれる成果を残しておく

実務経験が無いわけですから採用担当者が安心できるように勉強の成果を見せれるようにしておきたいですね。
繰り返しになりますが、プログラミングスクールや独学でプログラミングを学んだと自己PRに書いてあるだけでは採用担当者は「本当にプログラミングができるのか」分かりませんし、とても不安です。

極論、参考書を読んだだけでも学んだと言えてしまいますもんね・・・
そのため、自分で課題を作り、web上に公開して見てもらうことが手っ取り早く実力をアピールできます。
web上に公開する方法はこのようなものがあります。
- webサイト / システムを自分で構築して公開
- アプリを開発し、アプリストアへ公開
- GitHub(https://github.co.jp/)へソースコードを公開
- Qiita(https://qiita.com/)へtipsを公開
- 公開しづらいシステムの場合、システムを動かした上で画面録画し、YouTubeに公開

アプリの公開とGitHubへのソースコードの公開など複数合わせると更に採用担当者はあなたのことを分かってもらいやすいですね。

独学で学んでいて公開できるものが無い方はどうしたらいいですか?

そういう方にこそプログラミングスクールは有効ですね。
プログラミングスクールに通ったからといってSEに転職できるわけではありませんが、あなたが何を作ればいいか分からないという方にはプログラミングスクールは良いと思います。
プログラミングスクールでは課題を出してくれるため、それを公開すると良いです。
但し、それで満足するのではなく、なるべく多くのシステムやアプリを作成し、実力を付けてくださいね。
資格を取得しておく

資格って取ったほうがいいんですか?

SEの仕事をするためには資格は必須ではありませんが、採用担当者の目に止まりやすくなります!
資格を取得することで採用担当者にあなたが努力していることが間違いなく伝わるため、資格はあって損はありません。
おすすめの資格は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者試験の中の応用情報技術者試験以上です。
取得する資格によっては、あまりプラスに働かないものもありますので注意が必要です。
登録しておきたい転職サイト

転職サイトはいくつ登録していますか?

1つだけ登録しています。

コピペで良いので複数サイトに登録しておくことをオススメします。
転職サイトはたくさんありますが、企業によっては1つの転職サイトでしか募集をしていないこともあります。
SEに転職するなら登録しておきたい転職サイトをまとめました。
転職サイト名 | 特徴 |
---|---|
Green | IT企業専門の転職サイト |
type | Greenほどではないが、IT企業やエンジニア求人が多い |
企業からのスカウト、面接確約オファーが多い | |
マイナビ転職 | ITエンジニア求人専門転職サイトも持つ大手転職サイト |
エン転職 | エンだけの求人も多数掲載の大手転職サイト |
リクナビNEXT | 大手で転職成功ノウハウが充実している転職サイト |
doda | 転職エージェントが充実している転職サイト |
特にGreenとtypeはSEの求人に力を入れていますのでぜひ登録しておいてください。

転職サイトにはエージェント機能があるところも多いですが、どう思いますか?

登録しておいて損はないですが、未経験からの転職だとエージェントからの転職は難しいかもしれません。
少しでもチャンスを逃したくという方はdodaやリクナビエージェント、マイナビエージェントへの登録をおすすめします。
最後に
冒頭でもお伝えしましたが、未経験からSEへ転職するのはなかなか難しいです。
ただ、IT業界は人材が不足しており、良い人がいれば採用したいと採用担当者は考えています。
そのため、あなたがスキルを身に着けて転職に向けてしっかりと準備を行い、転職サイトへのアピールの仕方を工夫すれば転職も可能だと思います。

余裕があればクラウドワークスなどで小さな仕事を請け負っておくともっとアピールできますね。

そうですね、ただ、お金をもらう以上、未経験だからという言い訳はできませんので責任をもっておこなってくださいね
本記事があなたの転職活動の助けになれば幸いです。
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