
SEに転職するのにプラスになる資格ってありますか?

はい、書類審査で採用担当者の目に止まる可能性の高い資格はあります。
SE(システムエンジニア)を始めとしたIT系の職種に関連した資格はたくさん存在しますが、希望の転職先によっては有利に働かない場合もあります。
そのため、転職活動のために資格を取得しようとしているのであればしっかりと選ぶ必要があります。
本記事では、IT関係の資格の種類や転職活動で採用担当者の目に止まりやすいと感じる資格を現役SEでエンジニアの採用も担当している筆者が完全解説します。
IT関連の代表的な資格
IT関連の資格には、大きく分けて「汎用的な資格」と「専門的な資格」があります。
- ネットワークスペシャリスト
- データベーススペシャリスト
- 応用情報技術者
- 基本情報技術者 etc
- CiscoCertifiedNetworkAssociate(CCNA)
- ORACLE MASTER
- AWS認定試験
- Linux技術者認定試験(LPIC)etc
汎用的な資格は、全て独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者試験(国家試験)により取得できるものですので信頼できる資格です。
また、試験内容は、一般的な情報処理の知識を問うものになります。
対して専門的な資格は、大手ベンダーなどが独自に作成・実施している資格です。
試験を実施しているベンダーが販売している機器やサービスの知識・技術を問うものです。

専門的な資格のほうが実務で役に立ちそうですね。

そうですね。ただ、目指している転職先がその対象の機器やサービスを使用していない場合、役に立ちづらいとも言えます。

確かに。そうするとどの資格取得を目指すのが良いですか?

いろいろな考え方があるとは思いますが、私のおすすめはIPAが実施している情報処理技術者試験です。
もし、あなたが希望の転職先が明確で、その企業や団体が使用している機器やシステム構成が分かっているのであれば専門的な資格を取得すると評価されやすいです。
ただ、そういう場合は少ないと思いますので汎用的で国家試験でもある情報処理技術者試験をおすすめします。
情報処理技術者試験について
情報処理技術者試験の試験区分

情報処理技術者試験の試験区分一覧(IPA webサイトより)
IPAが実施している情報処理技術者試験はこのように13区分と多くの試験を実施しています。
難易度としては、簡単なほうからITパスポート→基本情報技術者試験→応用情報技術者試験→ITストラテジスト試験等の高度情報処理試験の順となっています。

情報処理技術者試験は一般的な試験ということですが、ネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリストは専門的なのでは?

そうですね。ただ、機器やサービスに依存しているわけではなく、それぞれの分野の知識を深堀りする試験となります。
また、情報処理安全確保支援士試験に合格した場合、申請することで国家資格である情報処理安全確保支援士として登録することが可能です。
転職活動に役に立つのは応用情報技術者試験以上

じゃあ私はITパスポート試験を受けようかと思います。

いや、ITパスポートはSEの転職活動ではあまり役に立たないですよ。
先ほどの試験区分一覧を見るとITパスポート試験は対象者が「全ての社会人」となっていることからも分かるようにIT系の職種の方には簡単な試験となっています。
以前の情報処理技術者試験は、基本情報技術者試験からしかなく、一般の方のITリテラシーを高める目的で基本情報技術者試験の下部に新たに新設されたものということからもSEの転職活動では評価をされません。

では基本情報技術者試験でもいいのではないですか?

新卒であれば基本情報技術者試験もアリですが、中途採用の場合、応用情報技術者試験以上を取得していると採用担当者の目に止まりやすくなります。
基本情報技術者試験までは、試験が全て選択式であり、難易度が低いです。
SEとして仕事をしていれば基本情報技術者試験レベルの知識は既に身に付いている(身に付いていないとおかしい)はずです。

実際、転職サイトの保有資格欄に「基本情報技術者」と書かれている方はいる方はとても多いです。

つまり、「基本情報技術者」では他の転職志望者たちに勝てないってことですね。

はい、希望の転職先に転職したいのであれば他の転職志望者たちよりも上をいくことが必要ですね。
情報処理技術者試験の勉強法

情報処理技術者試験の勉強はどのようにすればいいですか?

基本的には受験勉強のように参考書と過去問で対策してください!
情報処理技術者試験は、選択式と記述式の筆記試験で参考書もたくさん販売されていますのであなたの一番分かりやすいと思うものを選んでください。
例えば、こちらのシリーズの参考書はとても分かりやすかったです。
また、過去問はIPAのwebサイトで公開されていますのでそちらを参考にしてください。
最後に
ある程度のレベルの資格を取っておくと転職サイト等で採用担当者の目に止まりやすくなります。
SEは、資格が無くても業務をすることは可能ですが、資格を取るための勉強を行うとシステム設計時やトラブル時の対応など業務の幅が広がります。
また、勤務先によっては資格を持っていることで手当てが出るところもあります。
そのため、仮に転職しなかったとしても資格のために勉強したことは無駄になりません。
参考にしていただき、転職を有利に進めてください。
コメント