保険が使えるオンライン診療なら、不眠の初診は3割負担でおよそ759円です。対面の初診料873円より安くなります。再診は228円で、こちらは対面と同額です。
ただし費用より先に知っておいたほうがよいことがあります。初診のオンライン診療では、睡眠薬の多くが処方されません。国の指針が、初診では麻薬及び向精神薬を処方しないと定めているためです。
保険が使える場合の費用
| 項目 | 診療報酬 | 3割負担の目安 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 初診料(情報通信機器を用いた場合) | 253 点 | 759円(対面の初診料 291 点より低い) | 施設基準を届け出た医療機関のみ |
| 再診料(情報通信機器を用いた再診を含む) | 76 点 | 228円(オンラインでも対面と同額) | 施設基準を届け出た医療機関のみ |
診療報酬は1点10円で、3割負担の方はその3割を支払います。これに薬をもらう場合の処方箋料と薬剤費、薬局の費用が加わります。窓口で払う額は10円未満が四捨五入されるため、領収書の金額は表と数十円ずれることがあります。
オンライン診療を保険で行えるのは、施設基準を届け出た医療機関だけです。対応しているかどうかは各医療機関のサイトで確認してください。
対面で受診した場合の初診費用は 睡眠外来の初診費用 にまとめています。オンラインに対応していない医療機関に当たった場合の比較に使ってください。
初診で処方されない薬がある
| 初診のオンライン診療で行わないこととされている処方 | 扱い | 睡眠の相談での意味 |
|---|---|---|
| 麻薬及び向精神薬の処方 | 行わない | 睡眠薬の多くは向精神薬にあたるため、初診のオンラインでは処方されない |
| 基礎疾患等の情報が把握できていない患者への、特に安全管理が必要な薬品の処方 | 行わない | 既往歴や服薬歴が分からない状態では出せない薬がある |
| 基礎疾患等の情報が把握できていない患者への 8 日分以上の処方 | 行わない | 初回はまとめ出しにならない。通院の回数がその分かかる |
睡眠薬として広く使われているベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系の多くは、向精神薬に指定されています。したがって、初めてかかる医療機関にオンラインで相談して、その日に睡眠薬を出してもらう、という流れは想定されていません。
一方で、向精神薬に指定されていない睡眠薬もあります。何を使うか、そもそも薬を使うかどうかは、診察した医師が判断します。この記事では個別の薬の名前や選び方には触れません。
実際に起きるのは次のような流れです。
- オンラインで初診を受け、症状と生活の状況を伝える
- 睡眠衛生の指導や、向精神薬にあたらない薬の検討が行われる
- 薬による治療が必要と判断された場合は、対面の受診につながれる
- 対面での診察を経て処方が始まり、その後の経過観察をオンラインで続ける
「オンラインですぐ睡眠薬がもらえる」という前提で探していると、この段取りに時間がかかります。急いでいる場合は、最初から対面で受診できる医療機関を探すほうが早いことがあります。
なお指針は、初診からのオンライン診療は原則としてかかりつけの医師が行うこと、それ以外の医師が行う場合は事前の「診療前相談」で医学的情報を確認することも定めています。
自由診療との違い
保険を使わない自由診療のオンラインサービスもあります。公表されている費用を確認できたものを挙げます。
| サービス | 公表されている費用 | 保険 | 睡眠のメニュー |
|---|---|---|---|
| DMM オンラインクリニック | 550円(東京 23 区・大阪市 24 区の当日配達は 1,500〜4,500 円の追加) | 適用外(自由診療) | 不眠症・睡眠障害 |
掲載の有無や順序は評価ではありません。公式サイトで金額を確認できたかどうかだけで決めています。
自由診療は保険がきかないため、診察料が無料でも薬剤費は全額自己負担になります。また、保険診療とは別の枠組みですが、初診での向精神薬の処方に関する指針は自由診療にも同じように及びます。
他のサービスについては、公式サイトで費用を確認できなかったため金額を載せていません。確認できた時点で追記します。
何が費用を変えるか
- 時間帯: 対面と同じく、時間外・休日・深夜の加算が付く場合があります
- 薬の有無: 処方が出れば処方箋料と薬剤費、薬局の費用が加わります
- 通信費・システム利用料: 保険診療でも、通信にかかる実費を別途請求する医療機関があります。金額は医療機関ごとに違うので、予約前に確認してください
- 診療前相談の費用: かかりつけ以外の医師にオンライン初診を受ける場合、その前段階として診療前相談が行われます。指針は診療前相談を「診断、処方その他の診療行為は含まない行為」と位置づけており、診療報酬の対象になりません。費用がかかるかどうかと金額は医療機関が示すことになっているので、予約前に確認してください
- 8日分以上の処方が出ない場合、その分だけ受診の回数が増えます
検査が必要と判断された場合の費用は 自宅でできる睡眠検査の費用 にまとめています。呼吸の検査はオンラインだけでは完結せず、装置の受け渡しが必要になります。
費用より先に受診を考えたほうがよい場合
次のような状態のときは、オンラインではなく対面での受診を検討してください。
- 気分の落ち込みが2週間以上続き、食欲や興味の持ち方が変わっている
- 日中の強い眠気で、運転や仕事に支障が出ている
- 同居している方から、寝ている間に呼吸が止まっていると言われた
- 自分を傷つけたい気持ちが浮かぶ
最後の項目に当てはまるときは、その日のうちに相談先につないでください。厚生労働省がまとめている電話相談窓口として、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556、受付時間は都道府県により異なります)があります。
この記事は公表されている診療報酬点数と公式の料金を整理したものであり、医療助言ではありません。どの治療を行うかの判断は、診察した医師によります。
この記事の情報源
点数は令和8年の医科診療報酬点数表によります。改定の内容は厚生労働省の令和8年度診療報酬改定についてで公開されており、点数そのものは同ページの医科点数表(令和8年厚生労働省告示第69号、PDF)が正本です。各行の出典は次のとおりです。
- 令和 8 年 医科診療報酬点数表 A000 初診料(確認日 2026-08-09)
- 令和 8 年 医科診療報酬点数表 A001 再診料(注 1)(確認日 2026-08-09)
- 厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針の概要」(確認日 2026-08-09)
- DMM オンラインクリニック 公式サイト(確認日 2026-08-09)
