final ZE3000は、音質に定評がありコアなファンも多い日本のオーディオメーカーfinalのブランド初となる音質を重視した完全ワイヤレスイヤホン(TWS)です。
ZE3000の名前は、有線イヤホンで低価格ながら音質が良く定番モデルとなっているE3000に由来していて低音域や高音域を無理に強調することなく高い音質を実現しているところは同じ傾向となっています。
まさにfinalが目指した、完全ワイヤレスイヤホンの新たな定番と言える素晴らしい音質で音楽をしっかり楽しめるモデルに仕上がっています。
そこで本記事では、2021年に35個以上の完全ワイヤレスイヤホンをレビューしてきた管理人がfinal ZE3000の良いところから気になったところまで徹底レビューします。
本記事の内容は管理人が運営しているYouTubeチャンネルでも詳細にご紹介していますのでこちらもぜひご覧ください。
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final ZE3000のスペック・価格
final ZE3000のスペック・価格一覧
ノイズキャンセリング | 未対応 |
---|---|
外音取り込み | 未対応 |
ワイヤレス充電 | 未対応 |
片耳のイヤホンのみで使用 | 対応(モノラル再生) |
マルチポイント接続 | 未対応 |
Bluetoothバージョン | バージョン5.2 |
対応コーデック | SBC / AAC / aptX / aptX adaptive |
ドライバー | f-Core for Wirelessドライバー(6mm) |
充電時間 | イヤホン本体:約1.5時間 イヤホンケース:約2時間 |
バッテリー持続時間 | イヤホン本体:最大7時間 イヤホンケース併用:最大35時間 |
サイズ | イヤホンケース:縦41.5 x 横68.9 x 厚み25.6 mm イヤホン本体:縦18.7 x 横21.6 x 厚み16.9 x ノズル9.1 mm |
カラー | ブラック、ホワイト |
重量 | ケース+イヤホン:約41.4g、イヤホン両耳:約9.3g |
イヤホン防水規格 | IPX4 |
充電ポート | USB-C |
保証期間 | 12ヶ月 |
価格(Amazon/税込み) | 15,800円(2021年12月現在) |
定価(税込み) | 15,800円 |
発売日 | 2021年12月17日 |
final ZE3000は、ノイキャンや外音取り込み、ワイヤレス充電など2021年主流の機能は未搭載でシンプルに音楽を楽しむための完全ワイヤレスイヤホンです。
その分、final Aシリーズに搭載されているf-coreドライバーを完全ワイヤレスイヤホン用に再構築したf-core for Wirelessやイヤホン内部の圧力を最適化するf-LINKダンピング機構が採用されているなど音質に大きなこだわりを持っています。
コーデックは、48kHz/24bitのaptX adaptiveにも対応しているため、ハイレゾ相当の音源を再生することができることも音質向上に寄与しています。
final ZE3000レビュー
外観はシボ塗装によって高級感があり、デザインもとてもかっこいい

final ZE3000のイヤホンケースは高級カメラのようなシボ塗装仕上げとなっていてただのプラスチックケースとは一線画す高級感を醸し出しています。
上部のfinalのロゴの印字もシンプルながらかっこよく、上品さも漂ってきます。
サイズは大きすぎず、小さすぎず、厚みも薄いため、ポケットにも余裕を持って入れることができます。

イヤホンケース前面にはインジケーターが搭載されていますが、充電していない時にはほとんど目立たないため、デザインの邪魔にならないのが良いポイントです。
このインジケーターはイヤホン充電中は青の点滅、イヤホンケース充電中は赤もしくは黄色で点滅し、どちらも充電中は青と赤もしくは黄色が交互に点灯するという動きとなります。
そのため、イヤホンを充電しているのか、イヤホンケースを充電しているのか、それとも両方なのかをすぐに見分けることができる設計がとても良いです。
下面にはUSB-Cポートが搭載されていてこちらから充電することになります。

イヤホンケースを開けるとこのようにしっかりとイヤホンがケースに収まっています。
イヤホンケースのマグネットはとても強いため、大きく振っても開いてしまう心配はありませんが、ケースを開けたまま大きく振るとイヤホンは外れてしまうことがあるため、注意が必要です。

イヤホン本体は、finalの人気有線イヤホンAシリーズに似た形状になっていてファンの方には馴染みのあるデザインとなっています。
シャープさと丸みを帯びている形状がうまくマッチしとてもクールでかっこいいです。

イヤホン本体を側面から見るとかなり特殊な形状をしています。
ZE3000は耳への装着時に面で支えるわけではなく、3点(外耳道・耳珠・耳ポケット)で支えるため、軽い装着感ながらしっかりフィットしてくれます。

ZE3000のノズル先端の形状は通常の円形のため、サードパーティ製のイヤーピースも装着可能です。
付属品はイヤーピース x 5、USB-Cケーブル、操作説明書が同梱されている

final ZE3000には、評判の高いfinalの完全ワイヤレスイヤホン用イヤーピース(TYPE E)x 5サイズ、USB-A to USB-Cケーブル、マニュアル類が付属しています。
マニュアルは日本語で14ページに渡って記載されていますので初めて完全ワイヤレスイヤホンを使う方も安心して使うことができます。

イヤーピースはSSからLLまでサイズが充実していますのでどんな方にも合うサイズのイヤーピースが見つかります。
また、隣り合う2サイズ(SSとSやMとLなど)は大きさの違いが微妙で見分けにくいことがありますが、ZE3000の場合は、軸の色が変えられているので見分けやすいのが良いポイントです。
装着感はとても軽くしっかりフィットし、運動も十分可能

final ZE3000は、イヤホン本体を正面から見ると大きめで装着すると写真のように耳を塞いでいるため、圧迫感があるように見えますが、装着感はかなり軽めで自然にフィットします。
また、耳の浅い位置でフィットされることがメーカーから公式にアナウンスされているため、普段より1サイズ大きめのイヤーピースにするとより快適な装着感や音質が得られます。
耳の奥まで入れる必要がないのでカナル型特有の圧迫感が苦手な方にもおすすめです。
デザインはシャープな部分と丸みを帯びた部分がうまくマッチしていてとてもかっこよく着けられます。

前からみるとほとんど耳からはみ出ていないので見た目も自然でファッションの邪魔にもなりません。
また、頭を大きく振っても外れるような感じはないため、運動時でも十分装着可能なほど快適です。
音質は音場の広さや定位感が最高で音の立ち上がりの良さが素晴らしい

final ZE3000の音質は、音質特化モデルにふさわしい素晴らしい音質をしています。
特に音場の広さや楽器がどの方向から鳴っているかといった定位感は素晴らしいです。
他のイヤホンの場合、定位感は左右のどちらから鳴っているかという程度ですが、ZE3000は斜め後ろや斜め前など三次元的に音が鳴っているように感じますがとても自然です。
また、ZE3000は音の立ち上がりがとても良いモデルとなっているのも大きな特徴です。
どこかの音域を特に強調しているというわけではないのですが、音の立ち上がりが良いため、イントロからAメロやBメロからサビに移行するときなどの迫力をしっかり感じることができます。
そして、それぞれの音の質が高く、まるで生音を聴いているように感じさせてくれるため、アーティストが伝えたい楽曲の良さをしっかりと表現してくれている素晴らしい音質のイヤホンです。
どちらかと言えば、アコースティックな楽曲が合っていますが、ロックなどのアップテンポな楽曲でも良さを発揮してくれる万能な性能と言えます。
操作感は必要な操作をしっかり操作可能だが、ほんの少しだけ反応が遅い

final ZE3000のイヤホン本体での操作はタッチセンサーにより行います。
タッチセンサーは、イヤホン本体の小さい方の面(上の写真の左側)に搭載されていてイヤホン脱着時に誤って操作してしまうことのない設計になっています。
小さい方の面ではあるものの、センサーの場所が分かりにくいということもなく、うまくタッチできないということはありませんでした。
final ZE3000の操作コマンド一覧
‘ 操作 ‘ | 操作コマンド |
---|---|
音楽の再生/一時停止 | 右または左を1回タップ |
曲送り | 右を長押し(1種類の電子音が鳴る) |
曲戻し | 左を長押し(1種類の電子音が鳴る) |
音量アップ | 右を2回タップ |
音量ダウン | 左を2回タップ |
音声アシスタント起動 | 音楽停止状態で右または左を3回タップ |
電話を受ける | 右または左を1回タップ |
電話を切る | ・右また左を長押し ・イヤホンケースに収納する |
着信拒否 | 右または左を2回タップ |
電源ON | ・右または左を1回タップ ・イヤホンケースからイヤホンを取り出す |
電源OFF | ・電源OFFしたい側を3秒間長押し(2種類の電子音が鳴る) ・イヤホンケースにイヤホンを収納する |
リセット | イヤホンケースにイヤホンを収納した状態で左右のセンサーを10秒以上長押し |
センサーにタッチをするとコンマ数秒ほどのタイムラグを感じるものの、必要な操作は全てイヤホン本体で行うことが可能です。
通話品質はぼちぼちでビジネスシーンでの通話は少し心許ない
final ZE3000のzoomでの通話音声を録音したものがこちらです。
final ZE3000は、通話はもちろん可能ですが、クリアな音声を相手に届けることができるとは言えない通話性能です。
そのため、ビジネスシーンでの会話には向いておらず、通話も一応使えるという程度だと認識しておいてもらえると良いです。
final ZE3000の気になったところ
イヤホンケース裏の表記が目立つ

final ZE3000のイヤホンケースの裏面全体にはPSEマークや技適マークなどが印字されています。
カッコ悪いというほどではないものの、大きく印字されていますので結構目立つことは認識しておくと良いです。
イヤホン本体が若干取り出しにくい

イヤホンケースを開けると写真のようにイヤホン本体が収納されていますが、ケースからあまりイヤホンが出っ張っていないため、指でつまみにくく若干取り出しにくいです。
そのため、気をつけてイヤホンを取り出さないと落としてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
ビジネスシーンでの通話は心許ない
final ZE3000はマイクが搭載されているため、通話も可能です。
しかし、先ほどご紹介した通り、マイクの品質はぼちぼちでビジネスシーンなどの重要な場面での会話には向きません。
そのため、通話を重視したいという方にはあまり向いておらず、同価格帯で音質も良いDENON AH-C830NCWなどをおすすめします。
関連記事 【DENON AH-C830NCWレビュー】音質最高なデノン初のノイキャン入り完全ワイヤレスイヤホンを徹底レビュー!!
final ZE3000の総合評価は☆4.5
final ZE3000は、ノイキャンや外音取り込みなど最近の完全ワイヤレスイヤホンでは主流の機能は未搭載であるものの、2万円以上のモデルにひけを取らない素晴らしい音質となっています。
また、シボ塗装仕上げを施した外観や装着感も素晴らしく、総合評価は☆4.5となりました。
final ZE3000はTWSでも音質に妥協したくない人におすすめ!!
最後にfinal ZE3000の良かったところ・気になったところをまとめます。
- 圧倒的な定位感や解像感の高いハイエンドクラス並みの高音質
- とても軽く、シボ塗装仕上げによる高級感のある外観・デザイン
- 軽めながらしっかりとフィットしずれることのない装着感
- 必要な操作を全てイヤホン本体で行うことのできる操作性
- ケース裏面の表記が目立つ
- イヤホンが若干取り出しにくい
final ZE3000は、ハイエンドクラスのイヤホンにも優る素晴らしい音質がとにかく気持ちの良い完全ワイヤレスイヤホンです。
特に定位感や音場の広さは他のモデルではなかなか感じることが出来ないほどで左右だけでなく、斜め前方や斜め後方など様々な場所から音が鳴っているようです。
他のモデルのように低音域や高音域が際立っているわけではありませんが、それぞれのアーティストの届けたい音をしっかりと再現して届けてくれるため、楽曲本来の良さを感じることができます。
そのため、苦手なジャンルの楽曲がなく、様々なジャンルの曲も快適に聴くことが可能です。
音質だけでなく、シボ塗装仕上げを施した外観やデザインは高級感もあり、所有欲も満たされます。
final ZE3000を1台持っていれば毎日の音楽ライフがより豊かになることは間違いありませんのでぜひチェックしてみてくださいね。
本記事の内容は管理人が運営しているYouTubeチャンネルでも詳細にご紹介していますのでこちらもぜひご覧ください。
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