Technics EAH-AZ60は、パナソニックのHi-FiオーディオブランドであるTechnics(テクニクス)から発売された全部入り完全ワイヤレスイヤホンの第2弾です。
音質はもちろん、本体の高級感や完成度がとても高く痒い所に手が届くカスタマイズ性も素晴らしく、2021年最強と評されるSONY WF-1000XM4のライバルになりえるモデルです。
本記事では、これまで50個以上の完全ワイヤレスイヤホンをレビューしてきた管理人が、2021年最強クラスのTechnics EAH-AZ60を徹底レビューします。
- 高級感抜群の外観・デザイン
- 解像感が高く様々な楽曲に合う音質
- 運動も十分可能な装着感
- 十分強力なANC
- クリアで自然な外音取り込み
- ビジネスシーンでも使える通話品質
- 素晴らしい制御のマルチポイント
- 豊富なカスタマイズ性
- 電話の後、うまく音楽が聞けなくなった
- LDACでの音楽再生でのバッテリー消費が激しい
- LDACとマルチポイントが併用できない
タップできる目次
Technics EAH-AZ60のスペック・価格
Technics EAH-AZ60のスペック・価格一覧
ノイズキャンセリング | 対応 |
---|---|
外音取り込み | 対応 |
ワイヤレス充電 | 未対応 |
片耳のイヤホンのみで使用 | 対応(モノラル再生) |
Bluetoothバージョン | バージョン5.2 |
対応コーデック | SBC / AAC / LDAC |
ドライバーサイズ | 8mm |
充電時間 | 約3.5時間 15分間の充電で70分(ANCオン)、80分(ANCオフ)再生可能 |
バッテリー持続時間 | ANCオン時:約大7.0時間(イヤホンケース併用:約24時間) ANCオフ時:約7.5時間(イヤホンケース併用:約25時間 |
サイズ | ケース:約56.6 x 約52.6 x 約34.0mm イヤホン本体:横19.6 x 縦19.6 x 厚み17.5 mm |
カラー | ブラック、シルバー |
重量 | ケース+イヤホン:約59g、イヤホン両耳:約14g |
イヤホン防水規格 | IPX4 |
充電ポート | USB-C |
保証期間 | 1年間 |
その他 | 専用アプリによるファームウェアアップデート、 イコライザー設定、タッチ操作のカスタマイズ、 マルチポイント接続などに対応 |
価格(Amazon/税込み) | 27,720円(2022年8月現在) |
定価(税込み) | オープン価格 |
発売月 | 2021年10月 |
Technics EAH-AZ60は、ハイレゾ音源を再生可能なコーデックであるLDACに対応していることが大きなポイントです。
LDACに対応している完全ワイヤレスイヤホンはまだ数えるほどしかなく、LDAC搭載のイヤホンが欲しい方には大きな選択肢となります。
また、2台のデバイスに同時接続可能なマルチポイントに対応しているのも他のイヤホンにはあまりないポイントです。
Technics EAH-AZ60レビュー
外観はとても高級感があり、所有欲を満たされる

Technics EAH-AZ60のイヤホンケースはさらさらした質感ながら見た目は重厚感もあり、かなり高級感があります。
上部のTechnicsのロゴは印刷ではなく、掘られているため、剥がれる心配もありません。

イヤホンケースを開けるとこのようにイヤホンが収まっています。
イヤホンケースやイヤホン本体のマグネットはほどほの強さとなっており、下を向けて強く振ってしまうと外れてしまうため、あまり雑には扱わないようにすることをおすすめします。

イヤホン本体は少しおおきめの筐体となっていますが、表面は金属のような加工で光の加減で模様も変化し、とても高級感があります。

イヤホン本体を横から見ると大きなマイク用のメッシュがあり、ノズルはかなり長めとなっています。

イヤホンからイヤーピースを外してみるとノズル先端の直径は6.0mmとかなり太くなっています。
そのため、サードパーティ製のイヤーピースに変えたい方は軸の部分が6.0mm以上に広がるものを選ぶ必要があります。
外観やデザインは管理人が運営しているYouTubeチャンネルでも詳細にご紹介していますのでこちらもぜひご覧ください。
付属品はイヤーピース x 7、USB-Cケーブル、取扱説明書が同梱されている

Technics EAH-AZ60には、イヤーピース、USB-A to USB-Cケーブル、日本語での取扱説明書が付属しています。
イヤーピースは、サイズとしてはXS / S / M(イヤホンに最初から装着済み) / L / XLがあり、XSとSは高さの高いものと低いものの合計7種類が同梱されています。
XSサイズがあることでSサイズでも大きいと感じる女性の方にも配慮されており、さすがハイエンドモデルと言える充実ぶりです。
装着感はかなり耳の奥でフィットするが運動も可能な装着感

Technics EAH-AZ60の装着感は、カナル型らしくかなり耳の奥でしっかりとフィットする作りとなっており、遮音性もとても高いです。
イヤホン本体は大きいため、写真を見ると窮屈に見えるかもしれませんが、成人男性にしては耳が小さめの管理人でも耳が痛いといったことはありませんでした。

前から見ると少し耳からはみ出しているように見えますが、デザイン性も高く、光沢がかっこいいです。
また、大きく頭を振ったりしても外れてしまう気配もなく、違和感もないため、激しい運動も十分も可能です。
アプリでのカスタマイズ性は高く、独自の機能も搭載されている

Technics EAH-AZ60のカスタマイズは、Technics Audio Connectアプリで行うことができます。
Technics Audio Connectアプリでできること
- ファームウェアアップデート
- イヤホン本体のバッテリー残量の確認
- ANC / 外音取り込み(トランスペアレント/アテンション) / ANCオフのモード切り替え
- ANC / 外音取り込みの強弱切り替え
- イコライザー設定
- イヤホンタッチ操作のカスタマイズ
- オートパワーオフ時間の設定
- イヤホン本体のLEDの点滅のON/OFF
- 接続モード設定(音質優先/接続優先/LDAC)
- マルチポイント接続のON/OFF
- 外音コントロールの操作設定
- ANCの最適化設定
- 通話相手からのノイズを抑える強さ設定
- お手入れ通知
- ボイスアシスタント設定
- イヤホンの名称設定
- 音声ガイダンスの言語設定
- JustMyVoice(通話音声)の確認
- イヤホン本体の探索(GPS・ビープ音)
※太字は独自機能
このようにパッと見ただけでは全てを把握できないほど様々なカスタマイズを行うことができ、これといって不足している機能はありません。
また、JustMyVoiceと呼ばれる通話音声の確認が可能な機能やノイキャンをあなたの耳に合わせて調整できる機能など痒い所に手が届く機能も搭載しているのも良いポイントです。
音質はとてもキレが良く、様々なジャンルの楽曲に合わせられる高音質が素晴らしい

Technics EAH-AZ60の音質は、イヤホン外観のイメージそのまま、キレがあり楽器の一音一音が跳ねるようなキラキラした音となっています。
解像感や分離感もとても高く、低音のアタック感もしっかりあるため、聴いていてとても気持ちが良く、音楽に没頭できます。
また、イコライザーもプリセット4種に加え、5バンドのカスタムイコライザーもしっかりと音質が変化することが分かるため、どのようなジャンルの楽曲にも合う音質にも調整することが可能です。
これといった弱点が見当たらない素晴らしい音質でどんな方にも合うイヤホンに仕上がっています。
操作感は操作音が遅れてくるものの、センサー感度も高く十分快適

Technics EAH-AZ60のイヤホン本体での操作はイヤホン本体表面全体のタッチセンサーにより行います。
Technics EAH-AZ60のデフォルトの操作コマンド一覧
‘ 操作 ‘ | 操作コマンド |
---|---|
音楽の再生/一時停止 | 右または左を1回タップ |
曲送り | 右を2回タップ |
曲戻し | 右を3回タップ |
音量ダウン | 左を2回タップ |
音量アップ | 左を3回タップ |
音声アシスト起動/解除 (Siri/Googleアシスタント) |
左を長押し |
モード切替え | 右を長押し (ANC→外音取り込み(アンビエント)→ANCの順に切り替わります) |
電話を受ける | 右もしくは左を1回タップ |
着信拒否 | 右もしくは左を長押し |
通話中のミュート | 通話中に右もしくは左を長押し |
通話中の相手のノイズ軽減レベル | 通話中に右もしくは左を長押し |
電話を切る | 通話中に右もしくは左を長押し |
EAH-AZ60は、操作コマンドが豊富で必要な操作全てをイヤホン本体で行うことができ、それぞれのコマンドをアプリでカスタマイズすることも可能です。
また、イヤホン表面全体がタッチセンサーになっていて他のイヤホンに比べてセンサーサイズが大きく、センサー感度も高いのでタッチミスが少ないのも大きなポイントです。
気になる点があるとすればイヤホン操作後に操作音が鳴るのですが、その操作音がほんの少し遅れて出力されるため、最初は違和感があるかもしれません。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)はかなり強力で風切り音も軽減してくれる

Technics EAH-AZ60のアクティブノイズキャンセリング(ANC)は、ハイブリッドノイズキャンセリングを採用しています。
ノイキャン性能はとても強力でしっかりと騒音を軽減してくれ、ハイエンドクラスらしい性能をしています。
具体的に言うと雑踏の中の騒音はほぼカットしてくますし、電車やバスの走行音は窓が開いていたりしなければうっすらと走行音が聞こえる程度までカットしてくれます。
そのため、ノイキャンをオンにすることで十分に音楽に没頭することが可能です。
外音取り込みは2種類搭載していて音楽を再生したままでも十分会話が可能

Technics EAH-AZ60の外音取り込み(アンビエント)はトランスペアレントとアテンションの2つのモードを搭載しています。
アテンション:音楽を一時停止し、会話やアナウンスの音を強調して取り込むモード。
アテンションモードのほうが当然会話を聞き逃しませんが、トランスペアレントもとても優秀でコンビニやスーパーでの会話も十分可能です。
また、ノイキャン同様、外音取り込みの強弱を100段階で設定できますので取り込んだ音が大きすぎるという場合にはあなたの耳に合った音量に調整できます。
通話品質は重要な会議でも通用する。擬似的にマイク音を確認する機能も搭載している
Technics EAH-AZ60のzoomでの通話音声を録音したものがこちらです。
EAH-AZ60は、JustMyVoiceと命名された通話している方の周囲で騒音があるときでもクリアな通話ができることをウリとしていますので騒音(カフェでの会話音)を流して録音したものがこちらです。
完全に周りの騒音が消えたわけではありませんが、かなり軽減され、十分クリアに通話が可能ですのでビジネスシーンでの会話にも重宝します。

また、アプリでは通話した際に自分の声が相手にどのように声が聞こえるのかを確認する機能も備わっていますので周りがうるさいけど通話が心配なときなどに役立ちます。
マルチポイントの制御が素晴らしくかなり実用的

Technics EAH-AZ60には、2台のデバイスに同時接続可能なマルチポイント接続機能が備わっており、このマルチポイントの制御が素晴らしいです。
例えば、AndroidスマホとiPadに同時接続し、Androidスマホから音楽を再生している場合にiPadでYouTubeを流すとAndroidの音楽は自動で停止され、iPadの音声が再生されます。
Jabra Elite 85tなどもマルチポイント接続は可能ですが、この例の場合、iPadからYouTubeを流す前にAndroidスマホの音楽をあらかじめ一時停止しておかないとうまく切り替わりません。
EAH-AZ60は、これまで使用してきた完全ワイヤレスイヤホンの中で一番マルチポイントの切り替えがスムーズでマルチポイントを重視したい方には最高のイヤホンと言えます。
Technics EAH-AZ60の気になったところ
マルチポイント中に電話がかかってきた後、音楽がうまく聞こえなくなった
Technics EAH-AZ60のマルチポイントは素晴らしい制御でとても使い勝手が良いものになっています。
ただ、マルチポイント中に電話を受け、通話が終わった後に音楽がうまく聞こえなくなったことがありました。
対処法としては、スマホを再起動することですが、根本原因は分からないため、今後のアップデートで修正されることを期待したいですね。
LDACでの音楽再生中のバッテリーの減りが激しい

高音質コーデックのLDACで音楽を再生していた際、1時間ほどの再生で30%超のバッテリー消費となりました。
このペースでいくと3時間ほどでほぼバッテリーが無くなってしまうことになります。
それでも通勤・通学では長くても2時間程度だと思いますので十分足りますが、LDAC使用時は少し心許ないバッテリー性能となります。
LDACとマルチポイントの併用ができない

LDACで音楽を再生することによってハイレゾ音源も聴くことができますが、LDACを使用していると2台のデバイス同時接続のマルチポイントを使うことができません。
また、LDACを有効にするかマルチポイントを有効にするかはアプリで設定する必要があるため、切り替えがやや面倒な仕様となっています。
Technics EAH-AZ60の総合評価は☆4.5
Technics EAH-AZ60は、高級感のある外観・デザイン、解像感が高くバランスの良い音質、ANCや外音取り込みの精度、通話品質などどれもハイレベルに仕上がっています。
これら全てハイレベルなイヤホンはなかなか無く、総合評価は☆4.5となりました。
SONY WF-1000XM4との違いは?どっちを買う?

SONY WF-1000XM4は、2021年最強と噂されるハイレゾ対応完全ワイヤレスイヤホンでスペックはTechnics EAH-AZ60とかなり近いイヤホンとなっています。
このSONY WF-1000XM4をEAH-AZ60を比較し、優れていると感じる部分はこちらです。
- ノイキャン性能が高く、風切り音防止モードが優秀。
- AACでもDSEE Extremeでハイレゾ相当にアップスケーリング可能。
- イヤホンでのタッチ操作が快適。
- 音質がマイルドで優しく聴き疲れがない。
- 360 Reality Audio(空間オーディオ)対応。
どちらもとても優秀で満足が得られる品質になっていますが、これらに魅力を感じる方はSONYのほうが向いている可能性が高いです。
管理人としてはマルチポイント接続や通話品質を重視しないのであればSONYをおすすめします。
本サイトでは、SONY WF-1000XM4とTechnics EAH AZ60の比較記事も掲載していますのでぜひご覧ください。
関連記事 【SONY WF-1000XM4 vs Technics EAH-AZ60】2021年最強はどっち?多機能で高カスタマイズ可能な完全ワイヤレスイヤホンを徹底比較!!
Technics EAH-AZ60はマルチポイント対応なフラッグシップモデルが欲しい方にとてもおすすめのTWS!!
最後にTechnics EAH-AZ60の良いところ・気になるところをまとめます。
- 高級感抜群の外観・デザイン
- 解像感が高く様々な楽曲に合う音質
- 運動も十分可能な装着感
- 十分強力なANC
- クリアで自然な外音取り込み
- ビジネスシーンでも使える通話品質
- 素晴らしい制御のマルチポイント
- 豊富なカスタマイズ性
- 電話の後、うまく音楽が聞けなくなった
- LDACでの音楽再生でのバッテリー消費が激しい
- LDACとマルチポイントが併用できない
Technics EAH-AZ60は、高級感溢れるデザイン性と様々な楽曲に合う高音質、搭載機能全てがハイレベルで死角がかなり少ない完全ワイヤレスイヤホンに仕上がっています。
特に高いデザイン性は他のハイエンドイヤホンと比べても頭ひとつ飛び抜けているほど素晴らしく、所有欲をしっかり満たしてくれます。
また、ハイレゾ音源を再生できるLDAC搭載の完全ワイヤレスイヤホンはまだまだ少ないため、ハイレゾ音源再生にこだわりたい方の選択肢にも良いモデルでとてもおすすめできます。
ぜひチェックしてみてくださいね。
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