SONY WF-1000XM3は、2019年7月に発売されたモデルですが、2021年でも必ず売上ランキング上位に入る人気のフラッグシップモデル完全ワイヤレスイヤホン(TWS)です。
ただ、完全ワイヤレスイヤホン業界は2019年に比べて機能や品質がどんどん上がり、価格は下がってきています。
そこで本記事では、2021年現在でもSONY WF-1000XM3は買いなのかスペックや価格とともにレビューしていきます。
本サイトでは、WF-1000XM3の後継モデルであるWF-1000XM4のレビューも行っていますのでこちらもぜひご覧ください。
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SONY WF-1000XM3のスペック・価格
SONY WF-1000XM3のスペック・価格一覧
ノイズキャンセリング | 対応 |
---|---|
外音取り込み | 対応 |
ワイヤレス充電 | 未対応 |
片耳のイヤホンのみで使用 | 対応 |
Bluetoothバージョン | バージョン5.0 |
対応コーデック | SBC / AAC |
ドライバーサイズ | 6.0mm |
充電時間 | 1.5時間、10分充電で90分再生可能な急速充電 |
バッテリー持続時間 | ANCオン時:最大6時間 ANCオフ時:最大8時間 |
サイズ | 約78 x 約54 x 約29mm |
カラー | ブラック、プラチナシルバー |
重量 | ケース+イヤホン:約91g、イヤホン両耳:約17g |
イヤホン防水規格 | 未対応 |
充電ポート | USB-C |
保証期間 | 1年間(ソニーストアでの購入は3年) |
その他 | 専用アプリによるファームウェアアップデート、イコライザー設定、 タッチ操作のカスタマイズなどに対応 DSEE HXによるハイレゾ級の高音質な音楽再生 360 Reality Audioによる臨場感ある音楽再生 |
価格(Amazon/税込み) | 20,505円(2021年5月現在) |
定価(税込み) | 27,500円 |
発売月 | 2019年7月 |
SONY WF-1000XM3には、DSEE HXと呼ばれるハイレゾ級の高音質で音楽を再生できる機能が搭載されているのが特徴です。
また、対応しているアプリを利用することで360 Reality Audioと呼ばれる空間オーディオ機能といった他の完全ワイヤレスイヤホンにはない機能も搭載されています。
SONY WF-1000XM3レビュー
パッケージはしっかりした梱包でハイエンド感が十分ある

SONY WF-1000XM3の外箱はシンプルながらしっかりとした作りでハイエンド感があります。

中箱を外箱から取り出し中箱を開くとこのようにイヤホン本体とケースが収納されています。
写真左のように中箱のフタにイヤホンが傷つかない施しがされているのが好感が持てます。

中箱の下段には簡単な説明とともに付属品が収納されており、全体的にSONY製品らしいきめ細やかな梱包がされています。
付属品はイヤーチップ x 7 / USB-Cケーブル / マニュアルと充実
SONY WF-1000XM3の付属品は、イヤーチップ x 7、USB-Cケーブル(20cm)、保証書、簡易マニュアルとなっています。
イヤーチップは通常のものがSS / S / M(イヤホンに装着済) / L、低反発タイプがS / M / Lと充実しているので様々な方に合うサイズが見つかるはずです。
取扱説明書にはスマホ等への接続方法やアプリの使い方など丁寧に記載されていますので初めてワイヤレスイヤホンを利用する方でも安心です。
外観はケース・イヤホン本体ともに大きめで存在感がある

SONY WF-1000XM3のイヤホンケースを6.3インチのスマホと比べてみるとこのようにかなり存在感があり、完全ワイヤレスイヤホンの中ではとても大きいです。
また、重量もイヤホン本体と合わせて約91gあり、重さも感じます。

Jabra Elite 85tやJBL CLUB PRO+ TWSといった他のハイエンドクラスのイヤホンケースと比較しても大きめであることが分かります。

イヤホンケース上面にはSONYのロゴが印刷されており、材質も良いため、高級感があります。

イヤホンケース下面はこのように丸いデザインになっていてUSB-Cポートがあります。
SONY WF-1000XM3はワイヤレス充電には対応していないのでここからUSB-Cケーブルを接続し、充電することになります。

イヤホンケースにはこのようにイヤホンを格納できます。
イヤホンの丸い部分がタッチセンサーになっており、こちらから操作します。

他のイヤホンと比べるとSONY WF-1000XM3はかなり大きめのサイズであることが分かります。
イヤホン本体を横から見るとこのようにかなり特殊な形をしています。

イヤホン裏面も他のイヤホンとは変わった形をしています。
装着感はしっかりとフィットし、大きさや重量も気にならない

SONY WF-1000XM3は、サイズが大きいので装着するとやはり存在感はかなりあります。
ただ、見た目ほど重さも感じませんし、カナル型らしくしっかりとフィットしていて付け心地はとても良いです。

前からみると耳からはみ出しているように見えますが、WF-1000XM3の特殊な形状でしっかり支えてくれていますので頭を大きく振ったりしても外れてしまうようなことはありません。
また、長時間装着していても耳が痛くなるようなこともなく、さすがの技術力だと感じました。
専用アプリHeadphones Connectでイコライザーや操作コマンドの設定が可能
SONY WF-1000XM3は、専用アプリであるSony Headphones Connectをスマホにインストールし、スマホとペアリングすることでイヤホンの操作などのカスタマイズを行うことができます。
Headphones Connectアプリでは、他のイヤホンにはできないユニークな機能が揃っています。
Sony Headphones Connectアプリでできること
- ファームウェアアップデート
- イヤホン本体、ケースのバッテリー残量の確認
- ANC / 外音取り込み / オフのモード切り替え
- オーディオモード(音質優先 / 接続有線の切り替え)
- DSEE HX機能オン / オフ
- イコライザー設定
- イヤホンタッチ操作のカスタマイズ
- 自動電源オフ機能のオン / オフ
- イヤホンを外したときの自動再生 / 一時停止のON/OFF
- イヤホンの電源オン / オフ
- イヤホン設定のバックアップと復元
- 音声ガイダンスのオン / オフ、言語設定
- アダプティブサウンドコントロール(範囲により設定を自動的に切り替える機能)
- 360 Reality Audio設定
※太字は他のイヤホンではあまりみかけない機能

Headphones Connectアプリの中でも他にはあまりない機能がアダプティブサウンドコントロールです。
アダプティブサウンドコントロールは、あなたの行動をやよく行く場所を検出し、それに応じて設定を自動で変更してくれる機能です。
例えば、あなたが「止まっている」時や「電車に乗っている」時はANC、「歩いている」時は弱めの外音取り込み、「走っている」時は強い外音取り込みに自動で切り替えてくれます。
移動中にANCが強いと危険が伴う場合もありますが、毎回自動で設定を切り替えるのは面倒なのでこの機能はとても親切な機能です。

また、一般的な完全ワイヤレスイヤホンは、イヤホンケースに戻すと電源が切れますが、WF-1000XM3はケースに戻さなくてもアプリから操作をするだけで電源を切ることが可能です。(耳からイヤホンを外し、再度耳に付けると電源が入ります)
音質はSONY製品らしい綺麗な音で気持ちいい

SONYのオーディオ機器と言えば音質がクリアで繊細であることが特徴で、よくある低音を無理に協調したような音質ではありません。
SONY WF-1000XM3もクリアでボーカルやそれぞれの楽器の音の1つ1つがしっかりと聞こえ、ハイエンドモデルらしいSONYサウンドで聴いていて気持ち良いです。
また、Headphones Connectアプリからイコライザー設定を行うことができ、9つのプリセットが用意されていますのでお好みの音質で音楽を楽しむことができます。

プリセットで物足りない場合は自分でイコライザーを設定することも可能です。
ただ、他のイヤホンなどと比べると、イコライザーを変更しても劇的に音質が変わるという感じではなく、あくまでSONYの繊細で綺麗な音に色付けするという位置付けになっています。
また、特徴的なのが画面下にあるCLEAR BASSという設定項目で値を上げると低音が協調されますが、丸みを帯びた低音というか少し遠くで低音が鳴っているように感じます。

イコライザー設定の他にも音質優先モードやDSEE HXといった音質を向上させる機能があり、更に快適に音楽を楽しむことができます。
これらを使用するとバッテリー消費が高くなってしまうものの、通勤・通学には十分なバッテリー持ちですので安心です。
360 Reality Audioは最高の音楽体験だが、日本の曲や対応アプリが少ない

SONY WF-1000XM3は、360 Reality Audioと呼ばれる空間オーディオ機能に対応しています。
まるでコンサートホールの真ん中に立っているような前後左右、そして奥行きも伴って様々な場所から音が鳴っていると感じられるリッチな音楽体験をすることができます。
しかし、対応アプリがまだ限られていること、日本の曲が少なくあまり恩恵を受けらません。
今後、日本で一般的に利用されているアプリにも対象が拡大されると音楽がもっと楽しくなると思われます。
イヤホン本体での操作はミスなく可能だが、全ての操作はスマホを使う必要がある

SONY WF-1000XM3のイヤホン本体での操作はタッチで行います。
SONY WF-1000XM3のデフォルトの操作コマンド一覧
‘ 操作 ‘ | 操作コマンド |
---|---|
音楽の再生/一時停止 | 右を1回タップ |
曲送り | 右を2回タップ |
曲戻し | 右を3回タップ |
音声アシスト起動/解除 (Siri/Googleアシスタント) |
右を長押し |
モード切替え | 左を1回タップ (ANC→外音取り込み(アンビエント)→OFF→ANCの順に切り替わります) |
クイックアテンション | 左を長押し (長押ししている間だけ外音取り込みを行います) |
このようにデフォルト状態では、イヤホン本体での音量コントロールを行うことはできません。

Headphones Connectアプリで音量コントロールを割り当てることも可能です。
しかし、この場合、音楽の再生/停止などの再生コントロールやANCと外音取り込みの切り替えなどの外音コントロールが使えなくなってしまいますのでスマホを使用する必要があります。

WF-1000XM3には他にはない特殊なコマンドとして外音コントロールのクイックアテンション機能があり、イヤホンのタッチセンサーを長押ししている間だけ外音取り込みモードにしてくれます。
この機能を使うことで電車の中で一時的にアナウンスを聞きたいといったときなどに外音取り込みモードに切り替える必要ないというのはとても便利です。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)はしっかり使えるレベル

SONY WF-1000XM3のアクティブノイズキャンセリング(ANC)は電車内などの騒音も程よく低減してくれます。
ただ、アナウンスなどは音楽をかけていても多少聞こえるようになっていて完全な静寂が訪れるというほどではなく、耳障りな走行音を中心にカットしてくれます。
最近のハイエンドクラスの完全ワイヤレスイヤホンに比べると効きは甘めではあるものの、十分使えるレベルのANCと言えます。
外音取り込み(アンビエントサウンド)はぼちぼちの性能

SONY WF-1000XM3の外音取り込み(アンビエントサウンド)は20段階の強さに加え、ボイスフォーカスのON / OFFを選択できるため、合計40パターンから選択可能です。
ボイスフォーカスはその名の通り、自動車などの走行音は取り込まず、人の話し声は取り込むようにすることができる機能で仕事中といった雑音だけは消したいときなどに有効です。
WF-1000XM3の外音取り込みの効きは完全にクリアに聞えるというほどではなく、電車でアナウンスを聞く程度であれば問題ありませんが、コンビニやスーパーなどで会話をするには外音取り込みにし、更に音楽を一時停止しないと心もとないと感じました。
通話品質はかなり綺麗で安定していてしっかり聞こえる
SONY WF-1000XM3の音声をzoomで録音した音声がこちらです。
相手に届く音声は他のハイエンドクラスのイヤホンに比べても綺麗で安定していて十分快適に通話することができます。
この辺りのきめ細やかな作りは素晴らしいと感じました。
SONY WF-1000XM3の気になったところ
SONY WF-1000XM3の気になったところについてもお伝えしておきます。
高品質コーデックのaptXに対応していない
SONY WF-1000XM3が対応しているオーディオコーデックはSBCとAACとなっており、高音質コーデックであるaptXには対応していません。
しかし、最近の完全ワイヤレスイヤホンのハイエンドモデルでもaptXに対応していないものも多く、SONY WF-1000XM3が特別劣っているというわけではありません。
Apple AirPods Pro、Bose QuietComfort Earbuds、Jabra Elite 85t、JBL Club Pro+ TWSなど
また、aptXはイヤホン側だけでなく、音楽などの送信側(スマホやPCなど)も対応している必要がありますが、最新のiPhone 12でもaptXは未対応ですのでiPhone用としては全く問題ありません。
イヤホンケース、本体ともにサイズが大きい

レビューでもご紹介した通り、他のハイエンドクラスのイヤホンに比べてイヤホンケース、イヤホン本体ともに大きくなっています。

イヤホン本体はサイズの割に装着感は気にならないものの、見た目の大きさは気になりました。
タッチ操作でANCと外音取り込みの交互の行き来をする設定ができない
通常、イヤホンを使っていてANCと外音取り込みのどちらも使わないシーンというのはあまり考えられませんのでイヤホン本体で操作するときもANCと外音取り込みを交互に切り替えたいところです。
しかし、SONY WF-1000XM3はどうしてもオフが入ってしまいます。
もちろんHeadphones Connectアプリから操作する場合は可能ですし、一時的に外音取り込みを利用するクイックアテンション機能でも実現できます。
防水機能が無く、スポーツなどには不向き

最近の完全ワイヤレスイヤホンには防水・防滴に対応しているものがほとんどですが、残念ながらSONY WF-1000XM3は、防水仕様になっていません。
そのため、スポーツなどには向いておらず、水が掛かりそうな場面では十分に気を付ける必要があります。
SONY WF-1000XM3の総合評価は4.0
SONY WF-1000XM3は、SONYらしい綺麗な音質がとても心地よいです。
一方でアクティブノイズキャンセリング(ANC)や外音取り込みなどは他の最新ハイエンドモデルと比べると一歩及ばないと感じたため、総合評価は☆4.0となりました。
売り切れ続出した同価格帯のJBL CLUB PRO+ TWSとの違いは?

JBL CLUB PRO+ TWSとSONY WF-1000XM3は、どちらも2万円台前半(2021年5月現在)と同じ価格帯の完全ワイヤレスイヤホンです。
JBL CLUB PRO+ TWSは、イコライザー設定により音質が化け、自分好みの音作りができることが大きな強みで特に低音はズンズンと響くほど強力です。
JBL CLUB PRO+ TWSとSONY WF-1000XM3を実際に使ってそれぞれが優れていると感じた点はこちらです。
- イコライザーで化けるサウンド
- サイズの小ささ
- 快適な外音取り込みモード
- 運動も可能な防水性能
- 綺麗で繊細なSONYサウンド
- イヤホン本体での操作が快適
- 360 Reality Audioのリッチな音楽体験
この2つのイヤホンは音の傾向が違いますので好みが分かれますが、SONY特有の繊細で綺麗なサウンドが好きな方やSONYブランドが好きな方にとってはSONY WF-1000XM3はとてもオススメできます。
本サイトでは、JBL CLUB PRO+ TWSとSONY WF-1000XM3の詳細な比較はこちらの記事で行っていますのでこちらもぜひご覧ください。
安心のSONY品質やサウンドに魅力を感じるのであれば2021年でも十分な実力の完全ワイヤレスイヤホン
最後にSONY WF-1000XM3の良いところ・気になるところをまとめます。
- 綺麗で快適なSONYサウンド
- 空間オーディオが利用可能
- 長時間利用可能な装着感
- 高品質な通話性能
- aptXに対応していない
- サイズが大きい
- モード切替が変更不可
- 防水未対応で運動には不向き
WF-1000XM3は、2021年現在でも人気アーティストのLiSAさんやYOASOBIさんをイメージキャラクターに起用するなどまだまだ力を入れているフラッグシップモデルです。
にもかかわらず、発売当初は2万円台後半だったものの、2021年現在はアップデートにより機能がアップしているにもかかわらず価格も落ちてきてとてもお買い得になっています。
次期モデルのWF-1000XM4が発表されましたが、値段が33,000円(税込み)となっていますので今回ご紹介したWF-1000XM3は1万円以上安く購入することが可能です。
そのため、最新モデルにはこだわらないという方にはWF-1000XM3という選択肢も十分ありな仕上がりです。
SONYの信頼性やSONYサウンド、国内屈指のメーカーのイヤホンをお求めの方は十分に満足できるイヤホンとなっています。
ぜひ参考にしてください。
本サイトでは、WF-1000XM3の後継モデルであるWF-1000XM4のレビューも行っていますのでこちらもぜひご覧ください。
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