Beats Fit Proは、Apple H1チップを搭載しながらAndroidでも使用可能でウイングチップにより抜群の安定感を実現した完全ワイヤレスイヤホン(TWS)です。
H1チップにより、iPhoneやiPad、MacなどのAppleデバイスとのシームレスな切り替えが可能で更に音楽のみならず、映画での空間オーディオにも対応しているなど大きな特徴があるモデルです。
また、Beats Fit Proは、Apple AirPods Proよりも6,500円ほど安いため、AirPods Proには手が届かないという方にもおすすめです。
本記事ではApple傘下のBeatsから発売されたBeats Fit Proをこれまで40個以上の完全ワイヤレスイヤホンをレビューしてきた管理人が徹底レビューします。
本記事の内容は管理人が運営しているYouTubeチャンネルでも詳細にご紹介していますのでこちらもぜひご覧ください。
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Beats Fit Proのスペック・価格
Beats Fit Proのスペック・価格一覧
ノイズキャンセリング | 対応 |
---|---|
外音取り込み | 対応 |
ワイヤレス充電 | 未対応 |
片耳のイヤホンのみで使用 | 対応(モノラル再生) |
マルチポイント接続 | 未対応 |
Bluetoothバージョン | 未公開 |
対応コーデック | SBC / AAC |
ドライバー | 未公開 |
充電時間 | 約3時間 5分間充電した場合、最長1時間使用可能 |
バッテリー持続時間 | イヤホン本体(ANCオン時):最大6時間 イヤホンケース併用(ANCオン時):最大24時間 |
サイズ | イヤホンケース:縦62.1 x 横62.1 x 厚み28.7 mm イヤホン本体:縦15.8. x 横24.0 x 厚み19.1 x ウイングチップ16.0 mm |
カラー | Beatsブラック、Beatsホワイト、セージグレイ、ストーンパープル |
重量 | ケース+イヤホン:約66.6g、イヤホン両耳:約11.4g |
イヤホン防水規格 | IPX4 |
充電ポート | USB-C |
保証期間 | 1年間(3,740円のAppleCare+により2年間に延長可能) |
その他 | iPhone、iPad:設定から長押し時の操作などのカスタマイズ可能 Android:Beatsアプリから長押し時の操作などのカスタマイズ可能 H1チップによるAppleデバイスとのシームレスな切り替えに対応 空間オーディオに対応 脱着センサーによる音楽の自動再生/一時停止 |
価格(Amazon/税込み) | 22,545円(2022年1月現在) |
定価(税込み) | 24,800円 |
発売日 | 2022年1月28日 |
Beats Fit Proは、Apple H1チップによりAirPods ProのようにAppleデバイスとのシームレスな切り替えや音楽や映画での空間オーディオによる臨場感ある音質などに対応しているなど他のイヤホンと差別化がされています。
また、Androidスマホでも使用可能でBeatsアプリによってカスタマイズなども行うことができます。
Beats Fit Proレビュー
外観はケースは大きめでイヤホン本体はウイングチップが特殊な形状

Beats Fit Proのイヤホンケースは正方形で平べったい形状をしています。
マグネットの強さは十分で強く振ってもケースが開いてしまったり、イヤホンが飛び出してしまうということはありません。

イヤホンケース前面にはインジケーターが搭載されています。

ケース背面にはUSB-Cポートが搭載されており、こちらから充電することになります。

Apple AirPods ProやBeats Studio Budsと比較すると大きめであることが分かります。

イヤホン本体にはウイングチップが搭載されており、かなり特殊な形状をしています。
このウイングチップを耳に引っかけることで安定した装着感を得ることができます。
bのロゴの部分は物理ボタンになっており、2021年発売のBeats Studio Budsよりもかなり大きいため、操作感がとても良くなっています。

イヤホン本体裏面には脱着センサーが搭載されているため、音楽の自動再生/一時停止にも対応しています。

Beats Fit Proのノズル先端の形状は通常の円形(直径5.6mm)ですのでサードパーティ製のイヤーピースに付け替えることも可能です。
付属品はイヤーピース、USB-Cケーブル、冊子類が同梱されている

Beats Fit Proには、イヤーピース(S / M / L)、USB-C to USB-Cケーブル、beatsロゴステッカーや簡単なマニュアルが付属しています。
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装着感はとても安定するがウイングチップが長めで若干痒くなった

Beats Fit Proを装着し、横から見るとしっかりと耳に収まり、ウイングチップが耳に引っ掛かるため、とても安定感があります。
耳に収まっている部分は大きすぎず、成人男性にしては耳が小さめの管理人でもどこかが痛いということもありませんでした。
ウイングチップはシリコンのような素材で柔らかく、ウイングチップが曲がるため耳が小さい方でも装着することができます。
ただ、ウイングチップが長め(約16.0mm)で管理人の場合は若干耳が痒くなってしまいました。

イヤホンを耳に装着し、前から見るとこのように耳からけっこうはみ出ているように見えます。
そのため、腕を上げるような運動をした場合などは腕がイヤホンに当たってしまう可能性がありますので注意が必要です。
カスタマイズ性は高くなく、最小限のカスタマイズが可能

Beats Fit Proは、iPhoneであれば設定で、AndroidであればBeatsアプリでカスタマイズを行うことができます。
iPhoneでもAndroidでもカスタマイズできる項目は同じでです。
Beats Fit Proで可能なカスタマイズ項目
- ソフトウェアアップデート
- ノイキャンや外音取り込みなどのサウンドモード切替え
- イヤホンの名前の変更
- クイックツアー(簡単な機能説明)
- 自動装着センサーのON/OFF
- イヤホン長押し時の動作コマンド設定
- イヤーピースの装着テスト
- マイクの動作設定(自動or左or右)
- 片耳のみ装着時のノイキャンON/OFF設定
Beats Fit Proは、カスタマイズできる項目は少なめで最小限のことしかすることはできません。
そのため、ガジェットとして自分好みに多くのカスタマイズがしたいという方にとっては物足りないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
音質は低音が若干強めでロックなどハイテンポな楽曲に合う
Beats Fit Proは低音が若干強めの音質になっています。
あまりにも低音が強めでバランスが崩れているということはありませんが、解像感や明瞭感が特別良いなどということもありませんでした。
AirPods Proに比べると若干味付けがしてあって様々な楽曲を楽しむことができて快適です。
Apple MusicやNetflixなどの空間オーディオにも対応しており、臨場感あふれる音で音楽や映画を楽しむことができます。
Apple Musicの空間オーディオに対応している楽曲は邦楽ではまだまだ豊富とは言えませんが、空間オーディオに魅力を感じる方にはとてもおすすめです。
操作感は物理ボタン式で押しやすいが必要な操作を全て行うことはできない

Beats Fit Proのイヤホン本体での操作は物理ボタンで行いますので操作したことがしっかり分かりやすいのがいいポイントです。
2021年に発売したBeats Studio Budsはbマーク部分が押せないなど若干慣れが必要でしたがBeats Fit Proは全体を押すことができますし、ボタンが大きく、より操作しやすくなっています。
Beats Fit Proのデフォルトの操作コマンド一覧
‘ 操作 ‘ | 操作コマンド |
---|---|
音楽の再生/一時停止 | 右または左を1回押す |
曲送り | 右または左を2回押す |
曲戻し | 右または左を3回押す |
モード切替え | 右または左を長押し (設定によりANC、外音取り込み(アンビエント)、オフが順に切り替わります) |
電話を受ける | 右もしくは左を1回押す |
操作ボタンは押しやすいものの、上の表の通り、デフォルトでは音量の上げ下げをすることができません。
iPhoneの設定画面やAndroidアプリから音量の上げ下げを長押しコマンドの割り当てを変更することができますが、そうすると逆にモード切り替えを行うことができなくなりますので注意が必要です。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)は実用的だが完全に静寂が訪れるというほどではない

Beats Fit Proのアクティブノイズキャンセリング(ANC)は、周囲の騒音状況を検知し、強さが変わるアダプティブ型のノイキャンが搭載されています。
ノイキャンの性能は十分実用的で周囲の騒音を軽減してくれます。
音楽を聴きながら(音量50%程度)ノイキャンをオンにした時の具体的な騒音の聞こえ方はこのような感じです。
- 自宅内の家電製品の音:全く聞こえない
- 商店街などの雑踏の音:全く聞こえない
- 電車内でのアナウンス:アナウンスの内容が分かる時と分からない時がある
- 電車の走行音:走行音は聞こえるが音楽の邪魔にはならない
これらを鑑みると完全に静寂が訪れるほどのノイキャンではなく、Apple AirPods ProやSONY WF-1000XM4の方がノイキャンは強力です。
関連記事 【SONY WF-1000XM4レビュー】2021年最高イヤホンが爆誕!全てにおいて進化したSONYのフラッグシップ完全ワイヤレスイヤホンをレビュー!!
外音取り込みは音楽をかけたままでもコンビニやスーパーでの会話も快適に可能

Beats Fit Proの外音取り込みの音質はクリアで音楽を聴きながらでもコンビニやスーパーでの会話も十分可能です。
外音取り込み時に自動で音楽を一時停止にしたり、外音取り込みの強さを切り替えるなどのカスタマイズはできないものの、十分な性能となっています。
通話品質は静かなところで通話するには十分な音質
Beats Fit Proのzoomでの通話音声を録音したものがこちらです。
十分な通話品質となっていますが、通話性能に定評のあるJabraやTechnicsに比べると若干劣るかなという感じはしています。
周囲の騒音が大きいところでは若干心許ないですが、割と静かな部屋の中であればビジネスシーンでの会話も十分可能なレベルの通話性能になっています。
Beats Fit Proの気になったところ
イヤーウイングのサイズ変更ができず、右耳が若干痒くなった

Beats Fit Proのウイングチップは、シリコンのような素材で作られており伸ばすと長さが16.0mmほどあります。
かなり長さがありますが、公式webサイトではこのウイングチップがよく曲がるため、耳が小さい人でも大丈夫という表現がされています。
しかし、管理人の耳のサイズの場合、このウイングチップは少し長く、そのせいか素材のせいか分かりませんが若干耳が痒くなってしまいました。
そのため、シリコン等で痒くなりやすい体質の方は注意が必要です。
イヤホンケースにチープさがあり、若干大きめ

Beats Fit Proのイヤホンケースは2万円以上の価格帯にしてはプラスチック感があり、若干チープさがあります。
また、イヤホンケースを開けるとしっかりと固定されておらず、傾けるとフタがぷらぷらと動いてしまいます。
イヤホン本体で必要な全ての操作を行うことができない
Beats Fit Proのイヤホン本体での操作は物理ボタンで簡単に操作でき、快適です。
しかし、デフォルトでは、音楽の再生/一時停止、曲送り/曲戻し、モード切り替えは可能ですが、音量の上げ下げを行うことはできません。
そのため、必要な全ての操作を行うことができないのは知っておく必要があります。
風切り音がかなり気になる
Beats Fit Proは、フィット感を高めて運動時にもずれにくい完全ワイヤレスイヤホンです。
しかし、風が吹いているときは風切り音がかなり気になりました。
そのため、ジムでのワークアウト時などにはとても快適であるものの、ランニング用としてはあまり向いていないイヤホンとなっています。
Beats Fit Proの総合評価は☆4.0
Beats Fit Proは、Apple傘下のBeatsのイヤホンということもあってAppleデバイスとのシームレスな切り替えや空間オーディオ対応など他にはない大きな特徴があります。
しかし、音質は他のイヤホンに比べると若干劣りますし、ワイヤレス充電が付いておらずイヤホンケースがチープだったりと評価は上がりきらず、総合評価は☆4.0となりました。
Beats Fit ProはAirPods Proには手が届かない方や装着感に不安がある方におすすめ!
Beats Fit Proの良いところ・気になったところをまとめます。
- H1チップによるAppleデバイスとのシームレスな切り替え
- ウイングチップによる安定感のある装着感
- 十分実用的なANC
- コンビニやスーパーでの会話も可能な外音取り込み
- ビジネスでも使える通話性能
- ウイングチップのサイズが変更できず痒くなる場合もある
- イヤホンケースにチープさがあり、若干大きめ
- イヤホン本体で必要な操作を全て行うことができない
- 風切り音がかなり気になる
Beats Fit Proは、AirPods Proよりも6,500円ほど安価でありながら、Appleデバイスとのシームレスな切り替えや空間オーディオ対応など他社製のイヤホンにはない機能が搭載されています。
そのため、Appleデバイスを複数所有している方にとってはAirPods Proの代わりとなりえるモデルで十分おすすめできます。
一方、Androidスマホしか所有していない方にとってはあまりおすすめはできません。
Beats Fit Proは2万円以上するイヤホンですが、他メーカーのイヤホンであれば1万円台でも音質やノイキャン性能が上回るモデルがあるからです。
管理人のおすすめは、SENNHEISER CX Plus True WirelessやDENON AH-C830NCWです。
この2つはどちらもワイヤレス充電には未対応であるものの、音質が抜群に良く、ノイキャン性能も優れていてとてもおすすめです。
本記事の内容は管理人が運営しているYouTubeチャンネルでも詳細にご紹介していますのでこちらもぜひご覧ください。